サービス資料を
ダウンロード
お申し込み

インナーブランディングにおける空間デザインの役割とは? 活用ケースと事例を紹介

人手不足や人材の流動化が進む中、社員のエンゲージメントを向上させ、快適かつ生産性高く働いてもらうことがより重要な課題となっています。そこで効果的な施策がインナーブランディングです。その中でもオフィスにおける空間デザインを工夫する方法が現在注目されています。
本記事では、インナーブランディングの概要や、インナーブランディングにおける空間デザインの役割、実際の事例などをご紹介します。

目次

インナーブランディングって何?

インナーブランディングにおける空間デザインの役割とは?活用ケースと事例を紹介

インナーブランディングとは、簡単に言えば「自社の社員に向けたブランディング」のことです。「ブランディング」という言葉からは、自社の商品やサービスを購入する顧客に向けたものを思い浮かべるかもしれませんが、それは「アウターブランディング」と呼ばれるものであり、今回ご紹介するインナーブランディングは別の概念です。

インナーブランディングは、企業の理念やビジョン、価値観を社員と共有し、それらを深く理解してもらう取り組みを指します。これにより、社員の企業に対する愛着が深まり、一体感が醸成されるという効果があります。具体的には、社内広報活動や社員研修といった教育プログラム、自社ブランドを意識したオフィスのレイアウト変更など、さまざまな施策が行われます。

社員が自分の会社の理念やビジョンに共感できなければ、仕事へのモチベーションが低下し、些細なことで退職してしまうことも少なくありません。こうした事態をただ「最近の社員はやる気がない」と嘆いても、問題の解決にはなりません。

このような問題を防ぐためにも、インナーブランディングは非常に重要です。近年では「終身雇用」が当たり前でなくなり、人材の流動性が高まっているため、インナーブランディングを通じて「この会社で長く働きたい」と感じてもらえる組織作りが求められています。

さらに、多くの業界で人手不足が進行している現在では、働き手は職種にこだわらなければ就業機会に困ることはあまりありません。そのため、単に「生活費を稼ぐため」ではなく、「働きがい」を求める人が増えているのです。

インナーブランディングを通じて、社員にその会社で働く意義や目的を伝えることで、社員は働きがいを感じ、結果的に人材の流出を防ぐことができます。また、社員一人ひとりがブランドの一員であるという自覚を持ち、その自覚に基づいた一貫した行動を取ることで、顧客や取引先からの信頼を得やすくなり、ブランド価値の向上にもつながります。

なお、インナーブランディングは、セールスプロモーションよりも比較的新しい概念です。Googleトレンドで確認すると、「セールスプロモーション」は2000年代から多く検索されているのに対し、「インナーブランディング」は2010年代前半まではほとんど検索されておらず、2010年代後半から徐々に注目されるようになってきています。

※2004年1月~2024年9月までのGoogle検索における「セールスプロモーション」と「インナーブランディング」の人気度(Googleトレンド)

インナーブランディングは、現時点ではセールスプロモーションほど確立されていない分野です。
それだけに、インナーブランディングに積極的に取り組むことで他社と差別化を図ることができます。

インナーブランディングを行うなら知っておきたい、空間デザインの役割

働く人なら誰しも、快適な職場で働きたいと思うものです。職場が狭かったり、使い勝手が悪かったり、あるいは殺風景でおしゃれさに欠けている場合、やる気が削がれ、パフォーマンスも低下してしまうことがあります。

そこで、インナーブランディングを意識した空間デザインを取り入れることが重要な施策となります。具体的には、ブランドのカラーやロゴを反映させた空間デザインを導入することで、社員は常に企業のアイデンティティを意識し続けることができます。これにより、自社が「競合他社とは異なる独自性を持つ企業」であるという認識が強まり、社員の結束力が高まると同時に、企業の一員であるという自覚を深めることが可能です。

例えば、世界的なハンバーガーチェーンでは、赤色に黄色のロゴというイメージが広く浸透しています。このデザインは顧客だけでなく、社員にも強い影響を与えており、日々目にすることで自社に対する誇りや共感を持ちやすくなります。この例のような世界的な大企業でなくとも、ブランドのカラーやロゴを意識した空間づくりは大きな効果をもたらします。

また、オフィス環境を快適かつ機能的に整えることは、社員のモチベーションを向上させ、生産性の向上にもつながります。質の高い空間設計をすることで、社員の集中力や仕事の効率性がアップし、結果として業務のパフォーマンスも向上するのです。

具体的には、オープンスペースや共有スペースの設置が効果的です。これにより、チーム全体として一体感が強まり、チームワークの向上や情報共有の促進が期待できます。「気難しそうな同僚だと思っていたが、オープンスペースで会話をしながら仕事をしてみたら意外と親しみやすい人だった」といった、予期せぬ発見が生まれることもあるでしょう。

いずれにしても、空間デザインを通じたインナーブランディングを行うことで、社員同士の連帯感や協力関係が強まる効果が期待できます。
インナーブランディングを行うなら知っておきたい、空間デザインの役割

インナーブランディングのために空間デザインを活用したケース

以下では、オフィス、休憩室、社員食堂におけるインナーブランディングの活用ケースをご紹介します。

オフィス:
オフィスは従業員が最も多くの時間を過ごす場所であり、インナーブランディングの中心的な場となります。
オフィスデザインを通じて自分たちの『ありたい姿』を実現することも、空間デザインを活用したインナーブランディングの重要な要素です。
例えば、ありたい姿として「笑顔をデザインし続ける」を掲げ、そのオフィスデザインコンセプトを「私たちの笑顔が生まれるワークプレイスづくり」とすることで、コミュニケーションが自然に生まれ、従業員のウェルビーイングが高まる環境を作り出します。

具体的な実施例としては、リラックスできる休憩スペースの設置や、チーム間の交流を促進するためのオープンスペースの配置が考えられます。また、企業の価値観やミッションを反映させたデザイン要素を取り入れ、従業員が日常的にそのメッセージに触れることができるようにすることも有効です。

休憩室:
休憩室は執務空間とは明確に雰囲気を変え、オンとオフの切り替えをスムーズにすることでリラックス効果を高める役割を果たします。具体的には、従業員のさまざまな「こう休みたい」というニーズに応じた環境を整えることが重要です。例えば、同僚とのリラックスした会話が楽しめるカフェスペースや、1人で静かに過ごせる窓辺のハイカウンター席、軽い運動やストレッチが可能な小上がりスペースなど、多様な用途に対応できる設計を行います。
こうした配慮により、休憩時間が充実し、従業員が心身ともにリフレッシュできる場を提供し、新たなアイディアが生まれやすくなります。

社員食堂:
社員食堂は単に食事をするだけの場所ではなく、インナーブランディングの重要な場として活用できます。食事時間の以外にも利用できるフレキシブルな空間設計を行うことで、社員同士のコミュニケーションを促進し、エンゲージメントやイノベーションを生み出す環境を提供します。
また、さまざまな席のタイプや配置を用意し、部門を超えた交流やランチミーティングをしやすくすることも、インナーブランディングの一環として効果的です。

空間デザインによりインナーブランディングを強化した事例

以下では、空間デザインを通じてインナーブランディングを強化し、成果を上げた事例を2つご紹介します。

TDK株式会社 様

電子部品の総合メーカーであるTDK株式会社様では、旧作業服をアップサイクルしたオフィス家具(ルームパーテーション)を導入しました。

同社では、2023年4月から日本国内の作業服を約四半世紀ぶりに全面リニューアルしています。
リニューアルに際して不要となった旧作業服の活用方法を検討した結果、「社員同士、または社員と訪問者間のコミュニケーションを活性化させたい」「新しいワークスタイルに対応した、一人で集中して作業できるスペースが欲しい」といったニーズが浮上しました。

そこで、旧作業服の繊維を90%以上使用して作ることができる繊維リサイクルボード「PANECO®」を活用することに決定しました。従業員に愛着のある旧作業服がメタモルフォーゼし、新たな形で役に立っています。

ロート製薬株式会社 様

医薬品、スキンケア、機能性食品、再生医療などの事業を展開するロート製薬株式会社様では、昼食時以外にもコミュニケーションが生まれる場を創出するため、社員食堂空間の一部を新たにデザインしました。

テレワークのような新たな働き方が普及する一方で、コミュニケーションの場としてオフィスの意義が見直されつつあり、「出社したくなる」求心力のある場へと、オフィスを変化させる企業が増えています。
同社でも、昼食時以外に活用されていなかった食堂空間を、自然と社員が集まる場所、行きたいと思える場所にしたいというニーズが上がりました。

そこで、ウッド調をベースに植栽を設置することで、無機質だった空間を温かみのある居心地の良い空間へとリニューアルしました。

また、物置スペースとなっていた奥の空間との境界をフラットにし、机と椅子を配置することで、社員同士のコミュニケーションの場や個人のワークスペースとして使える場所へと変貌させました。

オフィス空間のリデザインで従業員エンゲージメントを向上

従業員に自社への愛着や一体感を持ってもらい、モチベーションを高めるためには、インナーブランディングが非常に重要です。その中でも、オフィスの空間デザインは従業員のエンゲージメントを向上させ、連帯感や働きやすさを感じてもらえる効果があります。

オンワードコーポレートデザインでは、インナーブランディングを実現するためのオフィス空間のリデザインを提供しています。法人向けのスタッフウェア製作やプロモーション企画の立案、空間づくりに強みを持ち、豊富な実績とオンワードグループのモノづくりの知見を活かして、あらゆる業界・業種の企業文化や取り巻く環境に応じた「デザイン」の力で課題に取り組んでいます。

オフィスの空間デザインにご興味のある方は、オンワードコーポレートデザインにぜひご相談ください。
また、オフィスの空間デザインに関するサービスの詳細については、下記の資料をご覧ください。

お役立ち資料

サービス資料

オンワードコーポレートデザイン インサイトセールス事業のサービス案内です。アパレル企業のデザイン力・モノづくりのノウハウを活かしてお客様の課題を解決します。

資料をダウンロード

関連コラム

サステナビリティ活動がユーザーの心を掴む!リサイクル・アップサイクルの違いと事例、注意点を解説
サステナビリティ活動がユーザーの心を掴む!リサイクル・アップサイクルの違いと事例、注意点を解説
マンネリ化するセールスプロモーションの理由と脱出法とは?注目事例6選も併せて紹介!
マンネリ化するセールスプロモーションの理由と脱出法とは?注目事例6選も併せて紹介!