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セールスプロモーションのマンネリ化とは?
セールスプロモーションにおけるマンネリは、同じまたは似たようなプロモーション活動が繰り返され、消費者に新鮮味を感じさせなくなる状況を指します。この状態になると、売上低迷への対応策が一つの方法に偏ってしまい、プロモーションの効果が薄れてしまう可能性があります。それでは、代表的なマンネリ化の理由と、そのマンネリ化の状況から達出する方法を見てみましょう。
マンネリ化の理由
プロモーション活動がマンネリ化してしまう代表的な理由としては、以下が挙げられます。
・創造性の欠如
同じフォーマットやアイデアの再利用により、新しい顧客体験を提供できない。
・ターゲット市場の変化の無視
消費者の好みやニーズが変化しているにもかかわらず、それに対応したプロモーション戦略の更新が行われない。
・競合との差別化の失敗
市場内での競合他社とのプロモーション手法が類似しており、特徴的な差別化要因が不足している。
マンネリ化から脱出する方法
・顧客のフィードバックを活用
顧客からの直接的なフィードバックを収集し、それをプロモーション戦略の改善に活かします。顧客が何を求めているか、どのようなプロモーションに反応するかを理解することが重要です。
・データ駆動型のアプローチの採用
市場のトレンドや消費者の行動パターンを分析するためにデータを活用し、よりパーソナライズされたプロモーション戦略を開発します。データを基にターゲットを絞り込み、カスタマイズされたメッセージを提供することで、顧客の関心を引きつけます。
・新しいテクノロジーの導入
AR(拡張現実)やVR(仮想現実)、AI(人工知能)などの新しいテクノロジーを活用して、顧客体験を革新します。例えば、製品のバーチャル体験やAIを用いたパーソナライズされた製品推薦などは、顧客に新しい体験を提供することができます。
・クロスチャネル戦略の採用
オンラインとオフラインのチャネルを組み合わせたプロモーションを展開し、顧客に多様な接点を提供します。異なるチャネルを通じて一貫したブランドメッセージを発信することで、より広範囲に顧客との接触機会を増やします。
・コラボレーションとパートナーシップの強化
異業種の企業やインフルエンサーとのコラボレーションを通じて、新たな顧客層にアプローチします。共同で限定商品を開発したり、共同プロモーションを行うことで、新鮮さを提供し、顧客の興味を引きつけることができます。
・社会課題解決への取り組み
企業が社会課題解決への取り組んでいる姿勢をアピールすることで、顧客は企業に対して好感を抱き、企業に対する信頼感を高め、ブランドイメージを向上させる手助けになります。
また、省エネやリサイクルなどを通じてコストの削減にもつながるため、企業にとって経済的なメリットももたらす要因にもなります。
セールスプロモーションのマンネリ化は、創造性と革新の欠如によって引き起こされることが多いです。顧客のニーズや市場の動向に敏感、かつ柔軟に戦略を調整することが、この問題を克服する鍵となります。
マンネリから脱出するための注目事例6選
以下では、前述のような方法を用いて展開されたプロモーションの事例をご紹介します。マンネリから脱出するためのヒントとしてご活用ください。
事例① 顧客のフィードバックを活用:VOC分析
VOCとは「Voice Of Customer」の略で、「顧客の声」を意味します。VOCを収集・分析することで、企業は商品・サービスの品質改善や競合他社との差別化のヒントを得ることができます。
大手ショッピングサイトでは、アンケートや商品レビューといった直接的な声だけでなく、購買履歴や顧客行動などのデータを活用し、商品やサービスの改善に役立てています。
事例② データ駆動型のアプローチの採用:パーソナライゼーション
パーソナライゼーションは、顧客の個々の特性や行動に基づいて、個別の体験やメッセージを提供するプロモーション手法です。パーソナライゼーションは個々の顧客に合わせたアプローチを可能にし、マーケティングのターゲット精度を向上させます。
パーソナライゼーションの導入事例として、株式会社YR Japanでは、体験型ライブデザイン&プリントサービスの「YR LIVE(ユア・ライブ)」をメイクアップアーティストブランド『シュウ ウエムラ』に提供し、プロモーション会場にてトートバッグのカスタマイズ体験を提供しました。一定額以上の商品を購入した来場者は、好きなモチーフとテキストをその場でプリントしたオリジナルトートバッグを作ることができます。
出典:PR TMIES カスタマイズ&プリントサービスのYR(ユアー)が『シュウ ウエムラ』の「スプリング ヘイズ コレクション」先行発売イベントにて、トートバッグのカスタマイズ体験を提供
事例③ 新しいテクノロジーの導入:AR(拡張現実)
AR(拡張現実)は、現実世界にコンピューター生成の情報や要素を重ね合わせて表示する技術です。ARを活用したプロモーションは、従来の広告よりもよりユニークでダイナミックな演出ができるため、ブランドの世界観をよりユーザーに印象付けることができます。
世界的チョコレートブランドを展開するゴディバ ジャパン株式会社では、ゴディバの公式アプリ内にARカメラを組み込み、季節のキャンペーンに合わせたコンテンツを配信しています。商品パッケージや店頭のポスターに専用カメラをかざすことで、可愛らしいオリジナルアニメーションやフォトフレームが出現。ユーザーがそのまま写真に撮ってSNSでシェアできるような企画を実施しています。
出典:PR TIMES ゴディバ ジャパンとロケーションバリュー、「ゴディバ公式アプリ」を共同開発
事例④ クロスチャネル戦略の採用:ECサイトと実店舗の連携
多くの消費者がオンラインでの買い物を利用する一方で、実店舗での商品体験や直接の接客が必要とされる場面もあります。ECサイトと実店舗を連携させることで、顧客はより豊かなショッピング体験を得ることができます。
ファッション通販サイト「ONWARD CROSSET」では、サイト内で気になったアイテムを実店舗で試着できるサービスを提供しています。EC限定商品や、店舗にはないサイズの商品をPCやスマホから簡単にお取り寄せすることが可能なため、ユーザーはECサイトの利便性を活用しつつ、納得して買い物を楽しむことができます。
事例⑤ コラボレーションとパートナーシップの強化:コラボキャンペーン
話題性のある相手とのコラボは、新たな顧客層の獲得や信頼度の向上に寄与します。また、自社の強みを活かしつつ足りない要素を外部から取り込むことで、革新的なプロモーションのアプローチが生まれる可能性が高まります。
アパレルブランドの「MOUSSY(マウジー)」は、日清食品株式会社の商品「カップヌードル」とのコラボレーションアイテムを販売。カップヌードルの世界観をMOUSSYのデザインに落とし込んだアイテムは、双方の魅力を詰め込んだスペシャルなコラボとして注目を集めました。
出典:PR TIMES MOUSSY(マウジー) カップヌードルとのコラボレーションアイテムが5月18日(木)より発売
事例⑥ 社会課題解決への取り組み:アップサイクル製品
アップサイクルとは、本来であれば廃棄されるはずのものに付加価値を加え、別の新しい製品にアップグレードして生まれ変わらせることで、持続可能なモノづくりを推進する取り組みです。元の製品の特長を活かして別の製品へ転換し、新たな価値を生み出すというストーリーを通じて、企業のメッセージを伝えることができるため、企業のイメージ向上やブランディングに寄与します。
株式会社東横インでは、2021年10月1日より、日本国内の東横INN全店で使用済のプラスチック製アメニティの回収をスタートしました。回収対象となるのは歯ブラシとコームで、回収後に適切な方法で活用され、新たに歯ブラシケースとして再生(リボーン)されています。
出典:株式会社オンワードコーポレートデザイン プラ製アメニティをリサイクル 株式会社東横イン様「Toyoko Inn Blue Reborn(ブルーリボーン)プロジェクト」
これまででご紹介した通り、セールスプロモーションの手法が多様化・複雑化した現代においては、今までと同じやり方でプロモーションを行っていても思うような成果が出ないことがあります。
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お役立ち資料
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