目次
成果につながる販促ツールの選び方
販促ツールにはさまざまなものがありますが、目的やターゲットを明確にせず、やみくもに選んでもなかなか成果にはつながりません。もちろん、DMやデジタル施策との組み合わせで効果が最大化するのが実際の販促設計ですが、ここでは販促ツール単体で見た際の、成果につながる選び方を6つご紹介します。
①販促目的を整理する
販促ツールの選定前には、販促目的の整理が必須です。何のために販促を実施するのかによって、選ぶべきツールは大きく異なります。
主な販促目的は以下の通りであり、目的に合わせて適切なツールを選定する必要があります。
目的 | 内容 |
認知獲得 | ブランドや商品を「知ってもらう」「覚えてもらう」ことを狙う |
来店・購入促進 | 実際に足を運んでもらい、購入につなげる動機づけを行う |
リピート促進 | 既存顧客のロイヤリティを高め、継続的な利用を促す |
ブランドへの熱量を高める | SNS等を通じて話題化・拡散を促進し、ブランド愛を醸成 |
②ターゲットを明確にする
次にターゲットを明確にする必要があります。
ここで明確にすべきことは以下の2軸です。
・属性セグメント:
年齢/性別/職業/趣味/業種/購買履歴など
・顧客インサイト:
顧客のライフスタイル、興味関心など
例えば、以下のような具体的なターゲット像を描くことで、適したツールの方向性が見えてきます。
例1:20代・女性・大学生・SNS感度が高く、推し活や可愛い雑貨が好き
例2:30代・男性・社会人・趣味(アウトドアやガジェット)に没頭
③ターゲットの心理的ニーズを理解する
ターゲットが価値を感じるツールを選定するには、心理的ニーズの理解が欠かせません。
心理的ニーズは、機能ニーズ、感情ニーズ、社会的ニーズなどの分類に分けられ、それぞれで対応する販促ツールが異なります。
| ニーズ | 内容 | 販促ツールの例 |
| 機能ニーズ | 便利さ・使いやすいことを重視 | モバイルバッテリー、メモ帳、エコバッグなど |
| 感情ニーズ | 可愛らしさ・高級さ・希少性・完全性を求める | キャラクターコラボ、上質な素材のアイテム、限定グッズ、シリーズアイテムなど |
| 社会的ニーズ | 共感性、シェアしたい、エシカルを重視 | サステナブルグッズ、アップサイクル品、フェアトレード商品、地元産素材を使用した商品など |
これらのニーズを踏まえることで、単なる「モノ」ではなく、「価値ある体験」として受け取ってもらえるツール選定が可能になります。
④配布・利用シーンを想定する
販促ツールは、店頭で渡すのか、イベントで渡すのか、商品同梱するのかなど、「いつ・どこで・どう渡すか」によっても選ぶべきものが変わります。
以下に代表的な配布シーン別のツール例を挙げます。
| 配布シーン | 具体例 |
| 店頭で渡す | トートバッグ、うちわ、試供品など日常使いでき持ち運びやすいもの |
| イベント会場 | SNS映えするグッズ、参加者限定のコレクターアイテム |
| 商品同梱 | クーポン付きリーフレット、試供品セットなど商品と親和性の高いグッズでパッケージに収まる、配送に向いているもの |
また、実際に顧客が利用するシーンを想定することも重要です。家庭内で使うのか、アウトドアで使うのかなど、利用するシーンによっても配布する販促ツールは異なります。
例えば、家庭向けであればブランケットやランドリーバッグ、オリジナルマグカップなど、アウトドア向けであればクーラーバッグ、ステンレスボトル、オリジナルトートバッグなどが挙げられます。
⑤トレンドを加味する
販促ツールの「時代性」や「トレンド」を踏まえて選定する視点も重要です。
最近のトレンドとしては以下のものがあり、これらの要素をうまく盛り込むことで、話題性やブランドイメージ向上につながります。
| トレンド | 内容 |
| SDGs/理念訴求 | 販促ツールを通じて企業のSDGsへの取り組みや理念、その背景を伝える |
| サステナブル素材 | 環境配慮型の販促ツールが企業の環境への取り組み姿勢を伝える |
| デジタル×リアル連動会場 | ノベルティ+ARなど、モノだけではなく体験もセットに |
| 「推し活」系デザイン | 「推し」とのコラボなどにより、SNSでの共有を狙う、推し活を後押しするグッズ(推しのぬいぐるみを入れて持ち歩くクリアバッグなど)でブランドイメージ向上をはかる |
⑥インシデント発生時の対応・運用のしやすさを考慮する
直接的に成果に影響するポイントではないものの、規模の大きい販促キャンペーンの場合、インシデントやトラブル発生時の対応・運用のしやすさも考慮する必要があります。
販促ツールの品質に生じた場合、最悪のケースでは回収という対応が必要となりますが、販促ツールの種類によってその対応にかかる労力が変わってきます。
例えば、販促ツールが食品の場合、顧客の口に入る前に速やかに周知し、回収を行う義務があり、企業として迅速かつ誠実な対応が求められます。実際に、アレルゲン表示の誤記により、配布済みノベルティ菓子を全品自主回収したケースもあり、企業対応の遅れがブランドイメージ低下を招いたケースもあります。
また、キャラクターグッズなどのIP(知的財産)を使用した販促物を制作する際、許諾が不十分なまま配布してしまった結果、権利元から使用停止措置を受け、キャンペーンの中止と謝罪を余儀なくされたケースも存在します。こうしたリスクを避けるためにも、IPの適正利用に関する契約確認や安全性チェックを事前に徹底する必要があります。
販促ツールを選定する際には、このようにインシデント発生時の対応・運用のしやすさも重要な視点として押さえておくと良いでしょう。
販促ツールの選び方ひとつで、施策の成果は大きく変わります。「目的の整理」から「ターゲット理解」「心理的ニーズ」「利用シーンの想定」「トレンドの活用」「インシデント発生時の対応」まで、総合的に検討することが販促成功のカギを握ります。
実際に、こうしたポイントを押さえた販促ツール活用により、大きな成果を上げた企業も存在し、下記ではいくつかの事例をご紹介します。
成果向上に寄与した販促ツール事例
成果向上をもたらす販促ツールは業界・業種や目的によって異なるため、自社の属する業界や目指す方向性と近い成功例を知っておくことが重要です。
以下では、成果向上に寄与した販促ツールの事例を3つご紹介します。
①トヨタ自動車株式会社 様
トヨタ自動車株式会社様では、リユース・リサイクルしきれない廃棄物の循環を目的に、車両に使用される上質なシートレザーの端材を活用してオリジナルのIDカードホルダーを作製しました。
当初は端材・廃材活用による環境への配慮(廃棄・CO2排出等、環境課題の解決)が主要な目的でしたが、合わせて企業の姿勢を訴求することで、ターゲットの社会的ニーズ(共感)も満たし、既存顧客のロイヤリティ向上につながる施策となりました。
当初の狙い通り環境課題の解決への取り組みが評価されたことはもちろん、上質な素材から作られたIDカードホルダーは顧客に刺さり、高い評価を得ました。
②タリーズコーヒージャパン株式会社 様
タリーズコーヒージャパン株式会社様では、顧客への日ごろの感謝を形にすることによる顧客ロイヤリティ向上に加え、グッズの購入促進を目的として、毎年「ハッピーバッグ」と呼ばれる福袋を販売しています。
ハッピーバッグは単なる福袋ではなく、ターゲットの希少性を求める感情ニーズを考慮し、限定品として打ち出しています。また、日常使いをするという利用シーンを想定し、自宅で使えるコーヒー豆とコーヒー関連商品を中身に加えているほか、トレンドを取り入れたバッグおよび商品構成を徹底しています。
こうした取り組みの結果、新規の顧客の獲得に大きく貢献し、ハッピーバッグ販売当初と比べ、現在では売上2倍を達成。現在では事前予約だけで販売数全体の約5割を占めるようになりました。
③イオンリテール株式会社 様
イオンリテール株式会社様では、BLACK FRIDAYの実施にあたり、顧客の来店促進を目指して以前からさまざまなお買い上げノベルティ企画を実施していました。しかし、BLACK FRIDAYというプロモーション内容を効果的に想起させ、かつオリジナリティに富んだ集客ノベルティ案が不足している点が課題となっていました。この課題を解決するために下記条件での新しいノベルティ企画を立ち上げることになりました。
・来店する幅広い顧客層に対応が可能なノベルティであること
・来店の強い動機となるノベルティ
・「イオンのBLACK FRIDAY」の象徴となるような特別感のあるノベルティ
そこで選ばれたのがトートバッグ専門ブランド「ROOTOTE(ルートート)」とのコラボレーショングッズです。幅広い層に人気のあるブランドとのコラボレーションというトレンドに沿っていたことに加え、顧客の可愛らしさや希少性を求める感情ニーズを満たし、来店の動機づけとなる販促企画となりました。
成果として、コラボレーショングッズが幅広い層に刺さったことで集客に成功し、「ROOTOTE」とのコラボレーションを継続することで「イオンのBLACK FRIDAYと言えば『ROOTOTE』とのコラボレーショングッズ」と想起させるブランディングにもつながりました。
ここまでの事例を踏まえて、次に制作会社選びのポイントを解説します。
成果につながる販促ツール制作会社の選び方
販促ツールを自社のみで制作することは現実的ではなく、ノウハウを持った制作会社に依頼することが一般的です。
その際には、以下のポイントを踏まえて選定すると良いでしょう。
①実績
大手企業、自社業界での実績があるか、また同じ販促目的での実績を豊富に抱えているかを確認します。実績ページを確認することはもちろんですが、直接下記のような質問をすることも効果的です。
例)「化粧品業界大手企業において、顧客ロイヤリティ向上のための販促ツール制作、キャンペーン支援をした具体的事例を教えてほしい」
②企画提案力
キャンペーン成功のためのストーリー設計も含めた企画提案が可能かを確認します。
販促ツールはあくまでもキャンペーンにおいて一部分でしかなく、キャンペーン成功のためには、ツールのみの提案では不十分です。
全体のストーリー設計を行ったうえで、ストーリーに合ったツールに落とし込む必要があるため、この視点を持っているか、対応が可能かは重要なポイントです。
③対応範囲の広さ
販促ツール制作だけではなく、販促戦略立案からKPI設計に基づく施策設計、施策実施後の分析・改善提案まで一気通貫で実施可能かを確認します。
これは、販促ツール制作という狭い範囲のみを提供している会社では販促施策の最適化が図れず、結果として成果につながりにくいためです。また、キャンペーンを継続して実施する場合、分析・改善を繰り返し成果向上につなげるためには、自社のみでは対応が難しいケースも多いため、対応範囲の広さも制作会社選びにおいて重要なポイントとなります。
④フレキシビリティ(対応力)
顧客の要求に柔軟に対応できる力も重要です。
販促ツールを完成させるまでには、顧客ニーズやターゲットを深く理解し、適切な形に落とし込む必要があります。しかし、定型品では対応が難しいケースも多く、納得いただけるものを提供できない可能性もあります。そのため、状況に応じてオリジナル品を制作できることに加え、顧客の意図を的確にくみ取り、それを形にするフレキシビリティの高い会社が望ましいでしょう。
⑤デザイン力
特に大手企業においては、企業イメージやブランドトーンとの整合性も販促ツールには求められ、対応が可能なデザイン力を持った制作会社を選定すべきです。
自社で雇用しているデザイナーの有無や、過去の制作物の確認は必須ですが、その際にはデザイン力の高さを示す根拠を提示できるかという観点で見ると良いでしょう。
⑥ロジスティックス(物流)対応力
全国で展開するような大規模な販促キャンペーンの場合、日本全国に販促ツールを同時期に配送をする必要があります。そのため、大規模キャンペーンに対応できる物流網(自社orパートナー)を持っているか、または実績がある企業であるかという点も確認することが重要です。
⑦リスクヘッジ能力
販促ツールにおけるトラブル・クレーム(特許侵害、リコール対象不良)発生の可能性を事前に理解し、予防策を講じることができるか、加えて、万が一トラブル・クレームが発生した際の対応力(リカバリー力)、企業体力があるかという視点も持つべきです。
また、販促ツールは数万~数十万という規模の大量生産をするケースが多く、トラブル発生時の影響規模が拡大しやすい傾向にあります。このため、大量生産を安心安全に行えるか、という点も重要です。
⑧グローバルネットワークを保有しているか
海外での販促プロモーションの場合は、顧客企業の海外ブランチへの対応が可能か、すなわち外国語でのコミュニケーションや貿易および物流対応が可能かという点も、確認すべきポイントになります。
⑨SDGs/環境配慮への対応
近年のトレンドとして、サステナブル素材の使用やアップサイクル・リサイクルなどの環境配慮が求められるケースが増えており、そうした点にも対応可能か確認する必要があります。
企画設計から販促ツール制作まで対応可能!
オンワードコーポレートデザインのソリューション
ここまで見てきたように販促ツールを選定する際には、目的やターゲットの明確化、ターゲットのニーズや配布・利用シーンの想定など、さまざまなポイントを押さえる必要があるほか、制作会社の選定も重要です。
オンワードコーポレートデザインでは、企画設計から販促ツールの制作まで対応しており、下記の強みを持っています。
①オンワードグループならではのクリエイティブ設計力
社内にデザイナーが在籍している総合アパレル企業だからこそ、高いデザイン力を活かした販促ツール企画が可能です。
また、消費者心理を深く理解した導線設計に基づき、ブランドの魅力を引き出すデザイン・コピーで、「目に留まり、心に響く」クリエイティブを提供しています。
②データに基づく販促企画設計力
定量・定性アンケートや顧客インタビューなどの結果にもとづき、貴社ターゲットのニーズに即した企画立案が可能です。課題の本質を明確にする綿密なデータ分析とマーケットリサーチに基づく企画設計を得意としています。
③KPI設計~改善提案までを一括で支援
単に販促ツールを作るだけではなく、初期段階でのKPI設計から、施策実施後の効果測定・レポートに基づく次のアクション提案まで実施可能です。
販促企画の「やりっぱなし」を防ぎ、本当に成果につながる販促実施を目指しています。
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